当院の目標・治療方針
治療について
 症状・年齢・周囲の流行状況などにより、必要な検査・治療のみを行い、不要な事はしないようにしています。特に苦痛の強いもの(血液検査・点滴など)は必要時のみしか行いません。

患者さんの呼び方
 当院では、患者さんをお呼びする時は『○○さん』と言うようにしています。最近は、医療機関でも『患者様』『○○様』と呼ぶところが多いようですが、私はあまり好きではありません。
 当院は、医療スタッフと患者さんの間に上下は存在しないと考えています。病気を治すという同じ目標のために、一緒に頑張る『同志』や『仲間』だと思っています。クリニックで、その時点で最適と思われる治療方針を考えて処置や投薬をし、家庭でご家族のかたがたが継続してケアをする。数日後にまた経過をみて治療方針を症状に合わせて変更し、家でケアを続ける。まさにチームプレイですよね。
 一緒に頑張りましょう。

処置時の保護者の入室について
 点滴・吸引などの処置の時、基本的には保護者のかたの入室はお断りしています。お子様と保護者のかたの間にある信頼関係を壊したくないからです。
 子供にとって、保護者は常に『自分を守ってくれる人』『味方になってくれる人』という存在です。点滴などの時に、そばに保護者が居るにもかかわらず、「(処置が嫌で助けて欲しかったのに)助けてくれなかった」というのは非常な不信感を子供に与えると思われます。場合によっては、保護者も一緒になって自分に嫌な事をしたと感じるかも知れません。
 かわいい我が子が泣いているから、そばで見守って励ましてあげたい、という親心がちゃんと伝わるかどうかは疑問です。かえって、子供は保護者に怒りを感じるかも知れません。それよりも、終わってから抱きしめてあげる方が「助けてもらった」「これで安心だ」と感じると思います。

 でも、入室をご希望のかたは、その都度職員にお伝え頂きましたらご入室頂けますので、遠慮なくおっしゃって下さいね。

予防接種(公費のもの)について
 公費で受けられるものは、受けられる月齢・年齢になれば、体調の良い時になるべく早く受けてしまいましょう。体調を崩して間隔がずれてしまったり、どれから受ければいいのか分からなくなってしまったりしたら、ご相談下さいね。
 年齢に決まりがありますので、それを過ぎてしまった場合は自費(有料)になってしまいます。母子手帳を見直して、済んでいないものがあればお問い合わせ下さい。

予防接種(自費のもの)について
 自費の予防接種(おたふく・水ぼうそうなど)を受けるべきかどうかについては色々な意見があり(中には過激な意見もありますが・・・)、「これが正解!」というものは存在しません。ですので、ご家庭の事情や考え方により、結論が異なると思います。小児科医でも意見がそれぞれ異なるので、皆さんが迷われ、混乱するのも当然です。
 私は、推進派です。病気にかかってつらい思いをするのは子供さん本人ですし、家族も看病にとても大変な思いをするのをよく見るからです。軽く済んでも、1週間前後は外出禁止になりますのでストレスも溜まりますし、大事な行事(入学試験・入学式・卒業式・発表会・遠足など)に出られなくなってしまいます。
 一番皆さんが不安を感じていらっしゃるのはワクチンの安全性だと思います。100%効果があり、100%安全なものができると良いのですが、残念ながらまだそんな完璧なワクチンは存在しません。しかし、昔に比べると非常に安全性が向上し、副反応もまれで軽いもの(一時的な発熱やはれ程度)がほとんどです。重症のものは極めてまれです。実際に、重症化や後遺症を起こす確率は、ワクチンとその病気にかかった時とを比較すると、ワクチンの方が低いのです。つまりワクチンの方が安全なのです。
 『ワクチンでは確実に免疫がつくとは限らない』というのも事実です。でも、かかってしまった時に、軽く済む事が多いのです。治るのも早く、日常生活に戻るのが早くなります。

 流行し始めてからあわてて予防接種に来られる方も多いですが、すでにウイルスもらってしまっている場合もあり、ワクチンの効果が間に合わない事もあります。流行してから考えるのではなく、流行していない時に予防接種を受けて、流行に備えるようにしましょう。

 自費の予防接種をする・しないは、ご家庭で話し合って決めていただくことですので、メリット・デメリットをしっかり理解した上で、一番良いと思われる選択をなさって下さいね。

大人や思春期以降の予防接種
 小学校高学年以上〜成人(全年齢)で、まだ麻疹・風疹・おたふく風邪・水ぼうそうなどにかかっておらず、予防接種もしていない方は、なるべく早く予防接種を受ける事をお勧めします。
 これらの病気はしばしば流行があり、小さい子供に比べて思春期以降の人たちは重症化しやすく、つらいのです。入院しなくてはいけなくなる事もよくあります。おたふく風邪は、軽く済んでも顔が腫れるので目立ちますし、男女ともに不妊症の原因になる事があります。
 子供さんからもらってしまう保護者のかたもよくいらっしゃいます。早めに確認しておきましょう。

 予防接種にお金はかかりますが、病気にかかった時の大変さや、仕事や学校を休まなくてはならない事、入院となった時の負担や治療費などを考えれば、高いものではないと思いますよ。

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